そもそものそもそも

いつまで続けられるだろうねえ

マクロスデルタ、良かったねえ

 マクロスデルタを観終わった。

 中後半失速したのは否めないが、ラストは面白かった(急展開過ぎたけど)。最終回でラスボスが世界中の命を一つにして誰も悲しまない世界を作ろうとする、どう観ても人類保管計画じゃん的な計画が発動するのだが、それに対する主人公ハヤテとライバルキースの意見が面白かった。彼らが主張するのは「空も雲も海もあるから」という物理的な事実である。マクロスでは飛行機ものであるため空へのこだわりがよく書かれるが、今回は特に風や空の単語がくどいほど頻出した。それと合わせて、ライブシーンの「ライブ感」の強さも印象に残る。ラグナ脱出時の、ヒロインフレイヤの生録りされたライブはこの作品最大の見所だと思うのだが、瞬間にかけるということこそデルタの魅力だったように思う。だから将来的な不安を取り除くために「今ここにある空」を失うことを誰も承認しなかった。ライバルとラスボスが所属し、フレイヤの祖国であるウィンダミア人の寿命が30~40程度という設定も効いていた。短命だから命を永遠にするか、だからこそ今を生きるしかないのだという対立は面白い。ただ、ラスボスの方はもうちょい丁寧に書いてくれ。なんでそんな永遠にこだわるか分からん。フレイヤは自らの歌の力を酷使しすぎて寿命が縮んでしまう。それでも関係なく、空があって雲があって海があって、歌がある。

デルタは物質の豊かさを讃えるアニメである。観念に囚われることなく、ただその場のものを楽しむということ。今歌うのだということ。不安という無意味な感情は、物質の持つ美しさ、表現の持つ力の前では霞でしかない。楽しむこと。マクロスデルタはどこまでもポジティブで、現代人への力強いエールになれるのだ!

 

おわり。最終話、戦闘は地味すぎた! もっとラスボスくさいバルキリー出してよ…… あんなどうでもいい雑魚相手に駄目でしょ。デルタは戦闘がちょっといまいちだったかな。戦闘を盛り上げるためのキャラの関係描写は上手かったから、もっとハラハラするものを魅せて欲しかったかな。どちらかといえばワルキューレのライブの方が見ごたえが合ったね。ジークフリードとドラケンかっこいいんだけどな。