そもそものそもそも

いつまで続けられるだろうねえ

社会をガン無視したいですよねえ

 おはようございます! それではいってみましょう!

 実に快調な滑り出しだが、みなさんは快調だろうか。日々の対応に追われすぎていないだろうか。今回は「社会、反社会」について考えてみようと思う。

「社会なんてくだらないぜ」とアーティストは言う。「社会に染まりたくない」と社会嫌いは思う。この場合、社会とは何をさすのだろう? ここで問題とするのはもちろん学術的な意味ではない。あくまで一般的なイメージについてだ。「社会人」というと、政治哲学的なことに興味がない人はなんとなく会社であくせく働くサラリーマンを想起するだろう。では前述の「社会に染まりたくない」とは「会社であくせく働くことに染まりたくない」ということになる。たしかに、喜んで働きたい! って人はあまり見ない。でも就職活動していると、みな(表面上は)喜んで仕事をし、その仕事に如何に価値があるかを伝えてくれる。人にもよるだろうが、大体の人は取り繕っているんだろうと想像はつく。そういうギャップを見て仕事に絶望するから、最初の一年で結構な数の新卒者が辞めていく訳だ。まあ、仕事は大概人の精神をすり減らす。そんなことしたくないのも至極当然だ。そういう社会の外面と内部のギャップに苦しんでいる人の脇に、正社員にならずにニートやフリーターをやっている人がいる。先に断っておくが、ニートも結局は社会にいるじゃん、とか社会に染まってなくてもみんな悩んでるんだよ! 的な論調にする気は一切ない。たしかに、社会から逃げ出したとしても全てが解決することはあり得ないし、そういう視点では構造的に等価であるとみなすことも出来る。しかし僕がこの記事で言いたいのは社会の定義だとか苦しみについてではない。僕が言いたいのは、「社会を敵にしたり、価値がないとみなすのはなぜか」ということだ。ある意味当然のことではある。僕も社会人をやっているが、確かに仕事はめんどいし、会社のルールは非効率で意味が分からない。「仕事の話はやめよう」と飲みの席で友人に言われたことがある。でも彼は仕事をしている。すぐに辞めればいいんじゃねえの? と言ったこともある。今の僕は、社会に立ち向かう必要はないと思っている。かといって、社会に従属しろとは言わない。それでいて嫌なら辞めろと強気に出る気もない。ただ気にかかるのは、真っ先に社会を敵視するのは「手軽に過ぎる」のじゃないかということだ。僕は仕事の話はしてもいいと思うが、愚痴は好きじゃない。なぜなら殆どの場合面白くないときが多すぎるからだ。仕事の愚痴は公的なものであるから、普遍的すぎてほぼ確実につまらない。そして、「手軽」過ぎる。社会人になったら仕事する時間は大半を占めるからそりゃ自分の個人的な体験も仕事の不満が大半になる。それをエピソードにして発表することが手軽なのは当然だし、社会人同士の飲み会がそうなりがちなのは当たり前の事態だ。同様に、今の自分が悪いのは社会にするのも当然だ。仕事があなたを目減りさせているのだから。ただ、それはどうなんだと思う節もある。別にみんな苦しんでいるんだからしょうがない、とか言う気はない。つまるところ社会の手のひらに乗ってほしくないのだ。社会の拘束力は絶大だ。だから、僕たちはつい自分の問題が社会にあると思ってしまう。でもそうやって仕事を辞めたり、発起して頑張ったとしても全部社会を意識した上の行動になってしまう。だから、社会に敵対する人もまた「社会人」なのだ。ロックは反社会的であるが故に社会的だ。そのためヤンキーもオタクも、カウンターとして「極めて社会的な」コミュニティを作る。ここまで書いたが、社会を無視しろって訳ではない。ただ、そこまで社会にこだわる必要もないように思う。「社会の粘着アンチ」化してしまうのは、単純に損だ。社会は敵として振る舞うことで、あなた自身を隠蔽する。それはサラリーマンとして会社の中で生きることで人間個人の個性を殺してしまうことと、変わりがない。

 社会人であることに苦しんでいるなら、社会を見る前にまず自分を見てほしい。自分はどんなことが出来て、出来なくて、何が好きで、嫌いで、どのように世界を認知しているのか。社会に折り合いを付けるのはその後でいい。「仕事に追われる日々」という言い回しがあるが、その通り社会は追い続ける。そこで頑張って鬼ごっこから外れる必要がある。社会を考える前に、自分を考える。僕たちは誰しもが社会に所属し、そこで上手く妥協案を探していくことに一生を費やす。取引は上手くやらなければいけない。そのために、社会のルールに乗っかるのではなく、自らの適正や価値観を意志を持って提示していくことが大事なのである。そうやって少しでもマシな方に持っていくために、人によっては無駄に見える思考や内省は必要不可欠になる。人間に考える義務はない。だが、鋭い思考が新たな気づきを与え、深い内省は世界への接続を強固にする。ゆえに無駄などでは一切なく、最も「実用的な」サバイブの手段であり続けていく。

 

終わり! 悪くない気がするぞ。